06 『奇跡は夜生まれる』トモコちゃん(15)5泊6日
【1日目】
信じられないことが起きた。
一ヶ月ほど前にうちを出て行ったはずのトモコちゃんが戻ってきたのだ。
電話の向こうで、『この前はごめんなさい。何でもするから泊めてください』と涙声で言ってきた。
うちを追い出された後で、よっぽど酷い目にあったのだろうか。
当然ここは優しく迎えてやるべきだろう。
一度追い出された家に、戻りたいと言ってくるのは相当な覚悟のはずだ。
再びうちにやってきたトモコちゃんは、心なしかやせたように見えた。
1ヶ月弱会わなかっただけなのに。
もちろん彼女の『何でもするから』という言葉どおりに、何もかもさせていただいた(笑)
トモコちゃんは、まさにマグロ状態だった。
全く抵抗はしなかった。
やるだけやって、彼女の悩みは聞こうとも思わなかった。
彼女も話す気はないらしい。
面倒な話に付き合わされることもなく、やりたいときにやれる女・・・
トモコちゃんは僕にとって理想の女に変貌していた。
ついこの前彼女のことを嫌っていたことが嘘のようだ。
なんだか、可愛いペットを手に入れたような気分である。
【2日目】
風邪を引いてしまった。
どうやら季節の変わり目に、素っ裸で寝てしまったのがいけなかったようだ。
頭が重い。
熱を計ってみると8度5分あった。
起き上がるのもきついので、大人しく寝ていた。
トモコちゃんがお粥(と言ってもコンビニのインスタントだが)を作ってくれたので、食べた。
一向に良くなる気配がない。
氷枕をして寝る。
心配そうに覗き込んでいるトモコちゃんを見て、思わず襲いかかった。
彼女も、まさか病人がエッチできるとは思わなかったに違いない。
頭は朦朧としていたが、体は無意識のうちに動いた。
何とか頑張ってやり終えると、妙に体が軽くなっていることに気が付いた。
適度の汗をかいたことが幸いしたのか、楽に立ち上がれるようになった。
エッチすれば、風邪は治るのか?
大発見である(笑)
お風呂に入って汗を流すと、いつもの健康な体にかなり近づいていることを実感できた。
トモコちゃんは、僕にとってまさに健康の女神だ!
【3日目】
風邪は回復に向かっているようだ。
まだ熱はあるが、起き上がって生活が出来るようになった。
ところが、今度はトモコちゃんが寝込んでしまった。
一緒に暮らしていると、当然のように病気を移してしまうものらしい。
僕と同様にエッチしたら治るのではという気もしたが、さすがに苦しそうに寝込んでいる彼女をやってしまうのには気が引けた。
仕方ないので、暇な日曜日を過ごした。
彼女を残して外出することも出来なかった。
お粥を食べさせて薬を飲ませると、落ち着いたようだ。
夜は厚着をしてテレビを見るぐらいまでには回復することができたようだ。
【4日目】
今日は、何とか二人とも元気になった。
昨日できなかった分を取り返そうという気持ちは山々だったのだが、どうしても会社に出かけなければならない。
夕方家に戻ってくると、トモコちゃんはいなくなっていた。
特に書置きもない。
彼女が愛用しているスポーツバックは残っていた。
夜10時過ぎても連絡すらない。妙に不安になってきた。
トモコちゃんがどこへ行こうと勝手だが、病み上がりだし、行き場所がそうあるとは思えない。
遂に12時過ぎても連絡はなかった。
僕はあきらめて寝ることにした。
浅い眠りに入りかけたころ、急に携帯が鳴った。
これから帰宅すると言う。
この時間には、もちろん電車は動いていない。
問いただすと、友達に車で送ってもらっていると言う。
どうやら男の友達のようだ。
その日、彼女が帰宅してからは、さすがにエッチする気にもなれず、すぐに寝た。
【5日目】
この日も仕事に出かけた。
昨日彼女がうちに戻ったのは、夜中の2時近かった。
さすがに寝不足で辛い。
仕事中、何度も寝てしまいそうになった。
朝、トモコちゃんと少しだけ話をしたが、うちを離れている間に出会った男らしい。
そこが嫌で、うちに逃げてきたのではなかったのか?
少し疑問がよぎったが深く考えないことにした。
今のところ彼女は、僕にとって都合のよい女であって、その関係を崩さないためにも、必要以上にプライベートに首を突っ込むのはためらわれた。
いちおう、今後は書置きか連絡を寄越すように言っておいた。
まるで親のような言い分だ。
門限を決めて子供を束縛したがる親の気持ちが、少しだけ理解できたような気がした。
皮肉なものだ。
夜は、久しぶりにトモコちゃんを抱いた。
久しぶりだったからか、トモコちゃんの反応はちょっと違っていた。
ちょっぴり喘いだ程度だが、数日前のマグロ状態から考えると格段の進歩である。
【6日目】
夕方仕事から戻るまでは、普通だった。
しかし自分の部屋でPCをいじっている間に、トモコちゃんはいなくなっていた。
どうやらスキを見て逃げ出したらしい。
最悪なことに、財布に入れておいた現金とカードがすべてなくなっていることに気が付いた。
カード会社に連絡して、カードの使用をすぐに止めてもらい、被害を食い止めることは出来たが、現金は多分5万近く入っていたと思う。
かなり痛い。
警察に通報しようかどうか迷ったが、やはりこっちにもやましいところがあるので、泣き寝入りすることにした。
こういうことなら、トモコちゃんの自宅連絡先と、例の男の詳しい素性を問いただしておくべきだった。
まあ、手切れ金とすれば安いものかもしれないが。今度からは注意することとしよう。
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